CCDサイズによる写り方の相違の私的考察 焦点距離と画角
以前から引っかかっていたAPS-CサイズのCCDとフルサイズのCCD(35mmフィルムサイズ)との写り方の違いについて考察する。 ネットで調べると、かなり誤解が多いように思える。 「レンズの焦点距離とはレンズ面(主点)とCCDとの距離のことである」とか「レンズの中心から光が結像する撮像素子までの距離が焦点距離である。」等々。 また 画角を35mmサイズの焦点距離で表すことは、間違ってはいないが誤解を生みやすい。 これらを1枚の凸レンズで代表させて像の結び方から考えてみたい。 |
焦点距離とはレンズの中心(主点)と焦点との距離であり、無限遠にピントを合わせたとき、レンズが移動して主点とCCD面との距離が焦点距離と等しくなるということである。 レンズの画角は、無限遠にピントを合わせたときに、主点からCCDの対角線の長さ(イメージサークルの直径)を見渡す角度のことである(それ以外は一般に画角が小さくなると思われる)。 画角を角度ではなく35mmサイズの焦点距離で言い換えるのは、感覚的なものにすぎない。画角は同じでも焦点距離が違うから、写り方(ボケ具合)は違う(焦点深度が違う)。 APS-Cサイズの場合、同じレンズでもレンズ周辺部分が使用されない(結像できない)場合があるのだから、写り方が違ってくる。 50mmレンズをAPS-Cサイズで使用したからといって、75mmレンズと同じように写るわけではないのである。 画角は単純に角度で表す方が混乱が 少ないと思える。 |
写真は、単に目に見えた対象の記録ではない。主体の表現であり、作者の意志であり感動である。 デジカメ特に一眼が急速に普及しつつあり、大衆的なものになりつつある。一挙に表現の幅が広がり、新しい大衆的な芸術(高度な)になりつつあると思える。これまで一部のプロと称する人々のものだったものが、圧倒的な広がり・シロートによる大量生産の前にひれ伏してしまったようだ。 デジイチの最大の長所はこれまでのレンズ(銘玉)が使えることだろう。写真は何よりもレンズが命であり、そのレンズを使えるカメラによって初めて表現できるようになるのだ。表現方法としては、解像力とボケ、この相反する2者を巧みに統合させたレンズが歴史に残るものであろう。単に解像度がいいというだけでは物足りない。主題を生かすためには同時にボケが重要であり、その統合が何ともいえないのだ。この意味で良いレンズはそう簡単に制作されるものではない。 レンズの性能を十分に引き出すには、レンズ本来の前提であるフルサイズCCDが求められる。 デジカメによって、一度手に入れてしまえばその後の費用を考えずにガンガン撮ることができるという、今までにはない手段がもたらされた。同時にネットの普及によって新しい表現の場が形成され、写真表現の主要な場が変わり、大衆による新たな文化が形成されつつある。 |